南雲吉則医師が語る「プレバイオティクス」と「プロバイオティクス」

私たちの体は50兆個の細胞でできています。細胞の中にはミトコンドリアという小器官があって酸素と一緒に炭水化物や脂肪やたんぱく質を燃焼することができます。(まことの核を持っているので「真核生物」といいます。

それに対して細菌は単細胞生物です。ミトコンドリアを持っていないので脂肪やたんぱく質を燃焼することができません。酸素を使わずに炭水化物だけを燃焼してエネルギー源としているのです。原始的で核を持たないので「原核生物」といいます。

炭素と水からできている炭水化物には「糖質」と「食物繊維」があります。人間は糖質を摂ると消化吸収して太りますが、食物繊維は消化吸収できないので栄養になりません。では何のために食物繊維を摂るのか。それは腸内細菌のためです。善玉菌の棲み家となりエサになるのです。

食物繊維には様々あり、例えばごぼうのイヌリンは「果糖」同士、キノコのβグルカンは「ブドウ糖」 、海藻のフコイダンは「ガラクトース」同士がつながったものです。

ちなみにお米のでんぷん、筋肉中のグリコーゲン、紙のセルロースは全てブドウ糖からできています。でんぷんは唾液や膵液中のアミラーゼによって分解され、糖が1個になればブドウ糖、2個のものは麦芽糖になり栄養になりますが、糖が3個以上のものはオリゴ糖といって吸収できず善玉菌のエサになります。

このようにいくら摂っても人間の栄養にならず、善玉菌の棲み家となりエサになるものを「プレバイオティクス」といいます。「プレ」とは下準備という意味です。

さて腸の中にきれいなお花畑「腸内フローラ」を作るためには、土(食物繊維)を耕し肥料(オリゴ糖)を与えるだけでなく、種を蒔くことが必要です。この種となる善玉菌を摂ることを「プロバイオティクス」といいます。「プロ」とは推し進めるという意味です。

ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、胃酸によって死滅しますが、一部は腸に届きます。ただしすでに沢山の腸内細菌がいるのでなかなかそこに居着くことはできません。そのために毎日摂ることが必要なのです。

野菜と菌が生きている発酵食品を毎日摂れば、プレバイオティクスとプロバイオティクスの相乗効果で腸内フローラを整えることができるのです。


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